リラックス効果や鎮静作用など、様々な効果が期待されているCBD。
最近では、CBDと同じくヘンプ由来のCBNやCBGなども登場しており、「どんな違いがあるの?」という疑問を抱えている方もたくさんいるはずです。
そこでこの記事では、CBDとCBN、それからCBGの特徴やそれぞれの違いについて詳しく解説していきます。
目次
CBD・CBN・CBGのそれぞれの特徴
では早速、CBDとCBN、それからCBGのそれぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
CBD
CBD(カンナビジオール)は、大麻草に含まれる「カンナビノイド」という天然成分の1つであり、近年では美容製品や健康製品などに多く取り入れられています。大麻草と聞いて、違法性を疑う方もいると思いますが、CBDは合法の成分となっており、国内でも購入や使用が可能です。
CBN
CBN(カンナビノール)も、大麻草に含まれる天然成分の一種です。THCを酸化させることによってできあがる成分ですが、CBNは安心して使用できます。
CBNは、ヘンプ由来の成分の中でも特に鎮痛、鎮静効果が高いと言われているため、睡眠の質を高めたいと考えている方にもおすすめです。
CBG
CBG(カンナビゲロール)も、大麻草に含まれている成分の1つです。CBGAという成分を脱炭素させることによって、CBDができあがります。この成分は、成長することによってCBDなどに変換されるため「カンナビノイドの母」とも呼ばれているのです。
CBD・CBN・CBGの違い
CBDとCBN、CBGには様々な違いがありますが、代表的な違いは以下3つです。
- 精神活性作用の有無
- 作用経路の違い
- 効果の違い
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
精神活性作用の有無
近年注目を集めているCBDですが、大麻草から抽出される成分ということで、多くの方が精神活性作用について疑問や不安を抱えているでしょう。CBDとCBGには、精神活性作用がないため、いわゆる「ハイになる」というような現象は起こりません。
一方で、CBNについてはわずかながら精神活性作用があります。とはいえ、ハイになる可能性は低いと言えます。
ただし、絶対にハイにならないと断言することはできませんので、自己責任のもと、正しい方法で使用することが大切です。
作用経路の違い
CBNは、脳内にあるCB1というカンナビノイド受容体(カンナビノイドのシグナルを体内に伝える働きを持つたんぱく質)に直接作用することによって、ECS(エンドカンナビノイドシステム)を活性化させ、健康や治療効果をもたらします。
一方、CBGは脳内にあるCB1だけでなく、CB2受容体にも直接作用するのです。
現在一般的となっているCBDは、カンナビノイド受容体に直接作用するわけではなく、体内で生成されるカンナビノイドの分解を防ぐことによって、ECSを活性化すると考えられています。
専門用語が並び混乱してしまっている方もいると思いますが、効果が出る過程が違うということだけ覚えておいてください。
効果の違い
CBDもCBNもCBGもヘンプ由来の成分ですが、期待されている効果や効能に違いがあります。
CBNは、
- 睡眠の補助
- 痛みの軽減
- 神経の保護
- 炎症緩和
- 抗酸化
- 食欲増進
などの効果に期待できると言われています。
CBGは、
- 炎症性腸疾患
- 緑内障
- 直腸がん
- ハンチントン病
- 膀胱機能障害
- 食欲不振
などに効果があると言われているのです。
CBDは、
- ストレス緩和
- 不眠解消
- 肌トラブルの解消
- アンチエイジング
- 運動パフォーマンスの向上
- てんかん症状の緩和
- がんの進行抑制
- 吐き気の緩和
などに期待できるとされています。
共通点・効果 | CBD | CBN | CBG | THC |
---|---|---|---|---|
合法性 | ✓ | ✓ | ✓ | |
ストレス緩和 | ✓ | ✓ | ||
不眠解消 | ✓ | ✓ | ✓ | |
痛みの軽減 | ✓ | ✓ | ✓ | |
神経の保護 | ✓ | ✓ | ||
炎症緩和 | ✓ | ✓ | ✓ | |
抗酸化 | ✓ | ✓ | ||
食欲増進 | ✓ | ✓ | ✓ | |
高揚感 | ✓ | |||
時間感覚の変化 | ✓ | |||
精神活性作用 | ✓(若干) | ✓ | ||
てんかん症状の緩和 | ✓ | |||
がんの進行抑制 | ✓ | |||
吐き気の緩和 | ✓ | ✓ | ||
自閉症スペクトラムへのアプローチ | ✓ |
CBD・CBN・CBGには共通点がある?
同じ植物から抽出されるCBDとCBN、それからCBGにはいくつかの違いがありますが、共通していることもあるのです。
以下、代表的な共通点について詳しく見ていきましょう。
ECSを活性化させる作用
先ほども解説したように、それぞれの成分は作用過程が違います。
ただ、どれもECSを活性化させることに違いはありません。
食欲に対する作用など、細かく見ると違う部分もあるのですが、似通っている部分も存在しているのです。
ハイになる可能性の低さ
CBDやCBN、CBGに興味を持っている方の中には、
「使ってみたいけど、ハイになるのが怖い」
と感じている方もいるでしょう。
ヘンプ由来の成分については、比較的歴史が浅く、研究途中の段階でもありますので、間違ったイメージを持っている方も多いです。
ただ、CBDやCBN、CBGは「ハイになる」ことがありませんので、安心して使えます。
先ほど解説したように、CBNには若干の精神活性作用がありますが、THCほどではありませんので、CBNを摂取したからといってハイになることはありません。
合法性
CBDやCBN、CBGを使うにあたって、最も心配なのは「合法性」ですよね。
これらの成分は大麻草から抽出されているため、中には「大麻(マリファナ)」と混同してしまっている方もいると思います。
ただ、法律で規制されているのはTHCであり、CBDやCBN、CBGについては違法ではありません。
THCが少しでも入っている場合、日本ではマリファナとして扱われますが、そうでない場合は堂々と購入できますし、使用もできますので安心してください。
CBD・CBN・CBGはどれがいいの?
CBDやCBN、CBGを使いたいと考えている方の中には、「どれを選べばいいの?」という疑問を抱えている方もいるでしょう。
以下、CBDがおすすめの人と、CBNやCBGがおすすめの人の特徴について詳しく解説していきます。
CBDがおすすめの人
CBDがおすすめなのは、とにかく安全性を重視している人です。というのも、CBDはCBNやCBGよりも多くの研究が行われており、目立った副作用がないことがわかっています。
このようなことから、初めてヘンプ由来の成分が含まれた製品を使う方にも最適と言えるのです。
CBN・CBGがおすすめの人
先ほども解説したように、CBDとCBN、それからCBGは期待されている効果が違います。
特に、CBNとCBGには、CBDにはない「食欲増進作用」などの効果が期待されています。
この記事を見ている方の中に、CBDにはない効果や作用に期待している方がいるのであれば、CBNやCBGを活用するのがおすすめです。
とはいえ、CBDが一切含まれていないCBN商品、あるいはCBG商品はほとんどありません。
このようなことから、CBNあるいはCBGならではの効果を求めている場合は、CBDよりもCBNやCBGが多く含まれている製品を選ぶことが重要になってきます。
意外と知らないCBDV・CBGAの特徴
CBDやCBN、CBGだけでなく、
- CBDV
- CBGA
などの成分も存在しています。
以下、それぞれの成分について詳しく見ていきましょう。
CBDV
CBDV(カンナビジバリン)は、CBDと構造が良く似た誘導体です。
そんなCBDVは、
- 抗けいれん効果
- てんかんの治療効果
などに期待できると言われています。
また、CBDVが脳の主要な興奮性代謝物である「グルタミン酸レベル」に影響を与えることがわかっており、自閉症スペクトラムにアプローチできるのではないかとも考えられているのです。
CBGA
CBGA(カンナビゲロール酸)は、カンナビノイドの前駆体として知られている化合物です。
そんなCBGAには、以下のような潜在効果があると言われています。
- 抗炎症作用
- 抗酸化作用
- 神経保護作用
- 抗がん作用
- 抗菌作用
まとめ
CBDとCBN、それからCBGはいずれもヘンプ(大麻)から抽出される成分ですが、それぞれで特徴が異なります。
また、THCとは違い違法性がありませんので、日本では安心して使えます。
ヘンプ由来の成分が含まれている製品を使う上で、今回紹介した知識は少なからず役に立つと思いますので、CBDやCBN、CBGに興味を持っている方はぜひ参考にしてみてください。
- PubMed: Cannabidiol in Anxiety and Sleep: A Large Case Series
- PMC: Cannabigerol Action at Cannabinoid CB1 and CB2 Receptors
- PubMed: Cannabigerol (CBG) and its analogs: a review of their effects on inflammation
- Oxford Academic: The Endocannabinoid System: A Bridge between the Immune and Central Nervous Systems