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CBDオイルの効能、米国の著名医学博士による見解

HealthyTOKYOは「脳とマリファナの関係性」に関する研究で著名な米国の医学博士のフィリップ・ブレア氏にインタビューをする機会を得ました。 博士には、専門家からの視点で、「CBDオイルの効果とそれを利用するメリット及びリスク」についてくわしく説明していただきました。

2014年からエンドカンナビノイド(脳内マリファナ類似物質)について研究·治療·講義を行ってきたブレア博士は、 エンドカンナビノイドで発生する障害が数多くの慢性疾患や炎症を引き起こすと考えていらっしゃいます。そして現在は、精神状態に影響を与えないハーブの活用や薬を適切に処方することや食事や運動療法を活用することで、弱まったエンドカンナビノイドシステムを復活させ、患者の健康状態を取り戻す治療活動に取り組んでおられます。

このようにマリファナの医学的活用方法の研究で最先端を歩まれるブレア博士にCBDオイルやカンナビジオールについてくわしく説明していただきました。

CBDとは?

CBDオイルは大麻草に含まれる100種類以上の生理活性物質でCBD(カンナビジオール)を中心に抽出されたもので、カンナビスサティバL.(天然麻)の茎から抽出される「カンナビノイド」のひとつです。 (※カンナビノイドとは麻に含まれる化学物質の総称)CBDには、エンドカンナビノイドやほかの体内システムと相互作用することで、様々な向精神作用や治療効果をもたらすことが期待されています。

CBDオイルにTHC(テトラヒドロカンナビノール)は含まれているか?

使用者に多幸感を感じさせる作用がある一方で、依存症や記憶障害、運動機能の障害や吐き気などの副作用があることで知られ、向精神薬などに使われるTHCは、CBDにはほとんど含まれていません。 いわゆる「覚醒効果」もありませんので、安心してご利用いただけます。

CBDとTHCの違いは何?

THCには精神を活性化するポジティブな作用がある一方で、依存症や記憶障害、運動機能の障害や吐き気などのたくさんの副作用があります。しかしながら、CBDには先述のような悪影響はほとんど報告されていません。 また、CBDには、脳機能と記憶力を高めてくれるポジティブな作用があることが報告されています。

CBD(カンナビジオール)は麻や他の食品にも含まれていますか?

あまり多くの人に知られていませんが、CBD(カンナビジオール)はさまざまな製品に含まれています。 トリュフ や亜麻繊維(リネン)にも含まれていますし、 美髪や頭皮への作用が期待できるシャンプーやお菓子類にも配合されたものが販売されています。また、最近では、CBDを含むリネン包帯が傷の治りを早めたという研究結果が発表され、その効能に多くの人々が期待するようになりました。

次に、CBDオイルを購入する際の注意点について説明します。

CBDオイルを購入する上での注意点

すべてのCBDオイルの品質がよいとは限りませんので、以下の4点に注意しましょう。 

  1. 有機栽培されたものか?
  2. 純度が高いか? (厳しい審査基準をクリアしたもののみが高純度品として認められます)
  3. 偽装されていないか?
  4. 正確な 成分表が表示されているか?

「質のよいCBDオイルを見極めるのに何に注意するべきか」を話した後、ブレア博士は、アメリカでCBDオイルがどのようにみられているかを私たちに説明してくれました。

CBDオイルはアメリカでどのように認識されているか?

日本はもちろん世界各国でもそうですが、アメリカでもCBDオイルの評価は人によって、大きく分かれます。 CBDは合法なサプリメントであり、THCがほとんど入っていないにも関わらず、「大麻」に関連するという理由で、違法薬物で体に良くないものだと認識する人も少なくありません。 一方で大麻関連のものは、どれも体によいとみなしている人もたくさんおられますし、また、THCが一定量以上含まれているCBDオイルなら危険だから使わない、とする人もいます。 そして臨床科学の観点から、研究論文などを読み、CBDオイルの効能を認めている知識人のグループも存在します。

最近CBDオイルはニュースになることが多いですが、 これは何を意味するのでしょう?

以下3つの理由が考えられます 。

  1. 現在の医療技術や治療方法の代替え品としてCBDオイルを活用する可能性に多くの人が期待していること
  2. CBDオイルを活用して成功した事例とそれに関する優れた研究論文が発表されたこと
  3. CBDオイルの研究でたくさんの効能が知られるようになったこと

上記の理由から、これまで以上に、サプリメント(栄養補助食品)としてのCBDオイルに、健康を回復し健康を維持する効果があることが期待されるようになりました。 単に「大麻が危険」と断定とするのは安直であることに多くの人が気づき、また、現代の政治に対する不満もCBDオイルが多くの人に注目されるようになった理由ではないかとも考えられます。 人はみな自分の健康や幸せを左右するのは自分自身で、現代医療がすべての病気をなおしてくれるわけではなく、それにだけ依存しているようではいけないと感がていることも示唆しています。 また、CBDオイルの健康に関するメリットを裏付ける臨床的な証拠や文書も増えてきています。

アメリカの医師はCBDオイルを推奨していますか?

はい、今や多くの人たちがCBDオイルの利点、ヒトの体と心にどのように役に立つかを認識するようになってきていますから、多くの医師がさまざまな病気にCBDオイルを薦めるようになりました。また、 そのCBDオイルを使用する治療分野も多岐に渡り、ホメオパシーからアロパシー(薬物療法)までと広範囲です。 さらに、CBDオイルは栄養補助食品なので、処方も必要ありません。

加えて、CBDオイルの科学的な効能をブレア博士に語ってもらいました。

cbd science hero

医療専門家としてのブレア博士の視点から、CBDオイルを使うメリットの科学的な根拠を教えてください。

個人的・専門家、両方の立場として意見を言いますと、CBDオイルを摂取することには多くのメリットがありますし、臨床試験など科学的な見地からもそのことがわかります。

  1. 細胞機能を活性すること
  2. ホメオスタシス(恒常性の維持)を回復·維持してくれ、環境が変化しても体の状態を安定させてくれる働きがあること※けがの際に傷口をふさいでくれるなど
  3. すべての細胞や組織にシグナル伝達分子として作用すること
  4. 神経・免疫・内分泌系を調整する働きがあること
  5. エンドカンナビノイドシステム以外の数多くの生物学的経路にも良い影響を与えること (医学文献のレビューを見る限り、91以上の臨床エビデンスがあります)

CBDオイルの効能は身体にだけもたらされますか?精神にも影響するのでしょうか?

CBDオイルは心身ともに作用する栄養補助食品で、感情面・精神面共によい状態をもたらします。臨床試験でも多数の例が報告されており、以下のような事例があげられます。

  1. 集中力があがる
  2. 不安感やゆううつな気持ちを軽減する
  3. 気持ちをやわらげ落ち着かせる
  4. 記憶力があがる
  5. 脳を活性する
  6. 反射神経・認知機能があがる
  7. 視力の回復
  8. 明るい気分にする
  9. ユーモアセンスがあがる
  10. 思いやりや共感性が強くなる
  11. 味覚が強くなる
  12. 色覚が強くなる
  13. よく眠れるようになる
  14. 性欲が高まる

CBDオイルを使用することで医学的な視点で治療に成功した事例を教えていただけませんか?

CBDオイルを使用することで、患者が救われた次の11の事例を紹介します。:

  1. CBDオイルがてんかんの発作を減らし重症化を防いだ事例があります。 また、発作時に脳の深刻な損傷を防ぎ、回復期間も早めた事例もあります。さらに、何組かの親子が子どもの成長と学習能力の改善で恩恵を受けた事例もあります
  2. 自閉症の治療薬ではないものの、 症状の改善に大きな効果をもたらすことが判明しています。(脳のシナプスを再接続します) CBDオイルには、不安を軽減し気持ちを落ち着かせる効果があるのですが、その効果は自閉症スペクトラムの人にも効果的です。 こういった効果を得るには、15gずつCBDオイルを摂取していくことがおすすめです。状態に応じて量を調整するとよいでしょう
  3. ブドウ球菌、連鎖球菌およびC型肝炎ウイルスに対して抗炎症効果があり、痛みを感じることなく、傷口をより速く治すことも可能です
  4. 認知症·アルツハイマーにも効果があります。 またCBDオイルを使用して数週間後に、何人かの患者の記憶力が改善したという報告があります
  5. ぜんそくの患者がCBDオイルを使用すると、肺機能が向上し大きな発作が起こりにくくなり、緊急の入院が不要になったという例もあります
  6. 不眠症にも効果があります。睡眠サイクルに影響を及ぼし、レム睡眠を減らして、深い眠りのノンレム睡眠時間を長くするメリットもあるようです.
  7. 鎮痛効果もあり、痛みを和らげ緩和もしてくれます。
  8. 肝臓移植中の男性の肝臓の炎症と線維症を収めることにも役立ちました。
  9. 脳卒中 – 脳損傷の予防にも効果があります。 長期的な機能回復を通じて脳の影響を受けた部分を修復し、神経細胞の喪失神経炎症を軽減します。 このことから、CBDは症状が起こってから6時間以内に摂取されれば脳卒中の進行も止められるかもしれないと考えられています。
  10. PTSDの患者の心を落ち着かせる効果も期待されています。質の高い睡眠をとることによって、嫌な記憶を消し去る。 多くの患者は時間がたつにつれ、症状が緩和していく経験をしています。
  11. 現代に多い病気「がん」ですが、肺がん·前立腺がん·卵巣がん患者のがん細胞を削減し、化学療法による悪影響を減らすことも判明しています。

多くの研究は臨床段階の前で、動物を使った例が多いですが、人間の臨床試験でも少なくない報告例が存在しています。

CBDオイルは身体能力を向上するか?

はい、CBDオイルは、以下のようなトレーニング効果が期待できます。

  1. 肺活量のアップ
  2. 気持ちを落ち着かせ、楽観的になる
  3. 炎症を抑える効果
  4. 代謝力の向上
  5. 持久力の向上
  6. 集中力および精神力の向上
  7. 鎮痛効果
  8. エンドルフィンラッシュ(ワークアウト後の高揚感)に類似した「アナンダミド」が体内で産生されることの促進。

なお効果を体感するには、運動の1,2時間前に使用することをおすすめします。

CBDオイルの肌に対する効果は?

CBDオイルは、天然の抗炎症剤ともいえますから積極的に活用されることをおすすめします。皮膚の再生や細胞の成長も助けてくれます。 炎症性サイトカインをブロックし、炎症を和らげてくれます。 けがをした箇所に使えば、傷の治りも早まることでしょう。

さらに、ブレア博士は、CBDオイルの利点を活かし、健康的なライフスタイルの一環として、食生活の中にCBDオイルを取り入れることへの取り組みについて説明してくれました。

博士は日常生活にCBDオイルをどのように取り入れられていますか?

いろいろなCBDの摂取方法を試しました。気化して蒸気で摂取する方法、皮膚に塗りこむ方法、経口摂取などです。 もし口で摂取する場合、舌の裏側がもっとも吸収性が高いので、そこでしばらくCBDオイルをためてから飲み込むとよいでしょう。

CBDオイルの効果を得るにはどのくらいの量を摂取すればよいでしょうか?

ボトルの裏側・説明書に書いてある量を摂取することをオススメします。 基本的には1日に2回15mgずつ摂取するとよいでしょう。まずはそこからスタートしてください。そして、 あなたのニーズに合わせて使用量を調整してください。 状態によっては継続的にあるいは一定の期間、多くの量を摂取することが必要な場合もあるでしょう。 しかしながら、1日200mg以上を超えて摂取しても効果が増大するケースは稀で、15mgで十分と考えます。言い換えますと、CBDオイルの長所は、CBDに対する耐性をあまり作らないことで、使用量を増やす必要がないということです。 栄養補助食品なので、お好きな時に食事に加えて摂取できるのもうれしいですね。

CBDオイルを使用する上でのリスクは?

特に目立ったリスクはありません。どれだけ摂取しても問題ありませんし、重大な副作用もありません。 薬物相互作用が起こることは稀ですし、凝固もしません。 もしTHCのことが気になるのであれば、少量だけ使用するとよいでしょう。 そして、個人差がありますが、CBDオイルとの相性の問題で、使用したときに若干疲労感を感じる方がおられるかもしれません。 ほとんどの場合、CBDオイルは使用者の気持ちを落ち着かせるだけですが、まれに刺激物として機能し、短い睡眠を促してしまうこともあります。 言い換えると、CBDは、日中、感覚を鋭敏にしてくれますが、 夜間は睡眠を補助してくれます。 そして、これには個人差があります。

CBDオイルの効能を最大限に発揮するには?

低炭水化物ダイエットやケトジェニックダイエットをしながら、CBDオイルを食事に使用するとよいでしょう。 CBDオイルはDHAやEPAなどオメガ3脂肪酸と一緒に摂取すると一番効果が発揮できます。

最後にCBDオイルに関するコメントやご意見は?

心身ともに健康的な生活を送るために、CBDオイルをバランスの取れた食事・定期的な運動と一緒に、包括的なアプローチの一部として取り入れられるとよいでしょう。

 


CBDオイルとそれを用いたサプリメントの科学*、健康上の利点について、家庭医学で何十年もの経験を持つ専門家の視点でブレア博士に解説していただきました。ブレア博士は、かつて軍医であった経験も活かした医療専門家としても活躍されています。長年の活動を通して、エンドカンナビノイドシステム(ECS)、非向精神薬、人体に非向精神薬がどのような役割を果たすかの分野の研究の第一人者としても有名です。

これは、当社がブレア博士に複数回に渡ってCBDオイルについてインタビューしたものの最初のものす。

※記事中の見解·意見はすべてブレア博士ご自身によるものですのでご了承ください。

ブレア医学博士について

フィリップ・ブレア博士は、1972年にウエストポイント陸軍士官学校を卒業後、マイアミ大学医学部で陸軍家庭医としてされた勉学後、米陸軍に戻り、大佐に昇進される。、第1次湾岸戦争(イラン・イラク戦争)では、戦闘医として活躍。 3大陸で活躍され、29年もの間、軍医として活躍した実績を持つ。 2000年に、「より多くの複雑な症状に苦しむ患者を救いたい」という志を持ち除隊され、現在に至る。 

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